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日本道観出版局のブログです。 老子(道)の生き方「タオイズム」の専門出版を行っています。

老子道徳経の読み方【まえがき公開】その1

 

 

 

日本道観出版局です。

 

 

早島天来著 

『定本「老子道徳経」の読み方』は、

 


タオの実践者が、書き連ねた
わかりやすい『老子道徳経』です。

 

 

その、まえがきをご紹介します。

 

 

【まえがき公開】その2はこちら↓↓↓

nihondokan-booksnihondokan-books.hatenablog.com

 

 

『定本「老子道徳経」の読み方』【まえがき】その1

 

 

道家(どうか)の思想の原点は、いうまでもなく老子が著したといわれる『老子道徳経』(一般には『老子』といわれている)である。

 

では、老子とはどんな人物で、老子道徳経とはどんなものなのだろうか。

 

老子は、司馬遷の『史記』によると「楚(そ)の苦県(こけん)の厲郷(らいきょう)、曲仁里(きょくじんり)の人で、姓は李(り)氏、名は耳(じ)、字(あざな)は伯陽(はくよう)、おくりなして聃(たん)という」となっている。

 

また『史記』には、老子に教えを請うた孔子が、
「鳥は飛ぶもの、魚は泳ぐもの、獣は走るものくらいは私も知っている。走るものは網でとらえ、泳ぐものは糸でつり、飛ぶものは矢で射ることも知っている。

 

だが、風雲に乗じて天に昇るといわれる竜だけは、私もまだ見たことはない。今日、会見した老子はまさしく竜のような人物だ」といったと記されている。

 

だから、もし老子が実在する人物であったなら、孔子と同じ時代、紀元前五世紀頃の人だということができる。

 

実在する人物であったならというのは、老子は生没年代も明確ではなく、また、老子道徳経の内容や文体を考察すると、一人の人物の頭脳から生まれたものとは考えにくく、その頃の道家の思想を集大成したものと考えられるからである。

 

しかし、老子が実在の人物でないとしても、それによって老子の思想的価値が下がるわけではない。逆に、儒教孔子仏教が釈迦、キリスト教がイエスの主観から生まれたのに対し、老子道徳経は、多くの頭脳の集積から生まれただけに、より普遍性を持ち、真理をついた思想ということができる。

 

この老子の思想の中核を成すものが「無為自然」の思想である。これは「宇宙の現象には、人の生死も含めて、必然の法則が貫徹していて、小さな人為や私意は入り込む余地はないのだ」という考え方が基本になっている。

 

つまり、人間などというものは、宇宙から見ればゴミのような小さい存在であり、人生は人の力ではどうにもならない自然の一コマに過ぎない。

 

しかし、人間はそういうことも分からずに、さまざまな我執(がしゅう)に振り回されてあくせくしている。人は生まれる前は“無”、そ して死んでしまえばまた“無”に帰るわけで、自分のものなど何もない。これに気づき、くだらない見栄や欲を捨てれば、人生はもっともっと楽しくなる。これ こそが人間として最高の生き方であるという考え方だ。

 

 

 

 

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『老子道徳経の読み方』/日本道観出版局

 
早島天來(正雄) 著
刊行の言葉 : 早島妙聴
解説 : 林中鹏
定価(税抜)10,000円
出版社:日本道観出版局

 

 

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